OBの思い繋ぐサッカー指導    吉田卓弥(99期)


 99期の吉田卓弥と言います。昨年度より高崎高校に赴任し、保健体育科教員、サッカー部の顧問として生徒たちを指導、支援させていただいています。その中で、日頃より翠轡体育会より多大なサポートを頂き、部活動に臨めることに大変感謝しております。高崎高校の運動部が全国に行くことが一番の恩返しだと思って、日々努力していく次第です。
 現在のサッカー部は、3年26名、2年30名、1年28名の84名で活動し全国・関東大会出場を目指し、日々の部活動に励んでおります。近年では、県大会でベスト4までとなかなか結果が出ておらず、1998年の京都インターハイ出場以来、全国の舞台まで辿り着いておりません。
 現在の群馬県の高校サッカーは、昨年度全国高校選手権大会で準優勝した前橋育英高校を中心に私立高校が力をつけてきています。また、人工芝を所有する学校が群馬県で7校(前橋育英、桐
生第一、共愛学園、健大高崎、前橋商業、高経附、市立前橋)あり、リーグ戦やトーナメント戦で現役の生徒はありがたい環境でサッカーをやらせてもらえている反面、普段の練習で毎日人工芝の環境でサッカーができるチームとの差をどう埋めていくかというのが顧間の悩みでもあります。文武両道で部活動の時間が限られている彼らには、サッカーのスキルだけでなく、絶対に負けないというファイティングスピリット、そしてチーム全員で戦術を理解し、多くの情報から自分たちで分析し、実践していく頭を使った高高生らしいスタイフレを確立できればと考えております。
 私が高校へ入学した頃は、前橋商業、前橋育英の2強をどう倒して全国へ行くかという時代で、1年次のインターハイ予選の準決勝で、その前橋育英と対戦し1-0で勝利、決勝では前橋商業に1-0で勝利と全国の切符を掴み取りました。京都インターハイでは、1回戦宮崎西(宮崎)を3-0、2回戦桃山(京都)を1-0、3回戦丸岡(福井)を2-2 PK4-3、全国ベスト4をかけた準々決勝は全国優勝を何回も誇る国見(長崎)に1-1 PK3-4で負けてしまい、準決勝進出にはなりませんでしたが、先輩達の戦っている姿にこのサッカー部に入れて良かった、自分もこういう舞台に立ちたいと強く思ったのを覚えています。
 当時、指導を頂いていたのは、坂田和文先生(現在玉村高校校長)で当時の言葉や教えが今の教育の場で自分に活かされています。「この場面だと坂田先生はどう指導していただろうなぁ」と私の理想像である恩師とのやりとりが思い出されます。また、坂田先生の教え子でサッカー部OBの中には現役Jリーガーの中町公祐選手(横浜Fマリノス)や日本サッカー協会公認1級レフリーでJリーグの試合などで活躍する堀越雅弘さん(新田暁高校教員)など第一線で活躍している人材も多く、今後もサッカー部から輩出していければと思います。
 今後は、同じ学び舎で、同じグランドで一生懸命活動している彼らに、OBの方々の思いを伝えながら指導、支援していきたいと考えています。


(翠巒体育34号(2015.6.23発行)より転載)


Jリーグの中町公佑選手(横浜Fマリノス)とキャプテン
Jリーグの中町公佑選手(横浜Fマリノス)とキャプテン